蟹座の神話友人ヒドラのためにシュールな死を迎えた、蟹カルキノスの話
蟹座は、ヘラクレスに踏みつぶされた哀れな蟹、カルキノスが星になったとされています。
正妻ヘラの陰謀から始まる
神々の王であるゼウスにはヘラという3番目の正妻がいましたが、ゼウスには愛人がおり、愛人との間にヘラクレスという子どももいました。
ヘラクレス自身にも妻と子どもがいましたが、幸せそうに暮らしているヘラクレスが気に入らないヘラは、ヘラクレスを錯乱状態にさせて、ヘラクレスに自分の妻と子どもを殺させました。
我に返ったヘラクレスは自分で手にかけてしまった妻と子どもを見て悲し嘆きました。
ヘラクレスの罪滅ぼし
ヘラクレスは自分の罪を償うため、ゼウスにどうしたらいいのか相談しました。ゼウスはティリュンス地方の王であるエウリステウスのもとへ行くよう指示しました。
エウリステウスはヘラクレスに12の試練を与えました。そのひとつが怪物ヒドラの退治です。
試練はほかにも、しし座の神話となるライオン退治が有名です。
ヒドラを倒しに行く
ヘラクレスはさっそくヒドラ退治に向かいました。ヒドラは8つの首を持つ大蛇で、8つの首のうちひとつだけは不死の能力を持っています。その能力により、いくらヘラクレスがヒドラの首を落としても次々に再生してしまいます。ヘラクレスは一度諦めて身を引きました。
再チャレンジ
ヘラクレスは甥であるイオラオスに協力をあおぎ、再びヒドラ退治に向かいます。今度はヘラクレスが落としたヒドラの首を、イオラオスがたいまつの炎で焼くという作業を行いました。これによりヒドラは再生しなくなりました。
ただ、不死の能力を持っている最後のひとつの首だけは殺すことができませんでした。なのでヒドラに大きな岩を投げつけ、身動きができないようにしました。
ヒドラの友達である蟹カルキノス
大蛇ヒドラには蟹のカルキノスという友達がいました。カルキノスはヘラクレスとヒドラの戦いを見ていました。
最初はヒドラのほうが強かったので黙って見ていただけでしたが、ヒドラが身動きできないようにされてしまったのを見て、我慢ならずに一人でヘラクレスに立ち向かいました。
カルキノスは自分のはさみでヘラクレスの足を切ろうとしましたが、ヘラクレスのほうが圧倒的に大きいので、「何だこの蟹?」と足であっさり踏みつぶされてしまいました。
果敢に立ち向かった蟹を称える
大蛇ヒドラも、蟹カルキノスも無残な結果になりました。この一部始終を見ていたゼウスの正妻ヘラは、ヒドラとカルキノスを哀れに思い、二人一緒に空へあげて星にしました。これがうみへび座(ヒドラ)と、かに座(カルキノス)です。
カルキノスは実はヒドラとの戦いを監視させるためのヘラの遣いだったという説もあります。
神話から見る蟹座の性格
星座占いでは、蟹座の人は根が明るくバイタリティのある性格だと言われています。カルキノスも自分の力を顧みず大きな力に立ち向かっています。この勇敢さと強い意思が蟹座の人に影響を与えているのかもしれませんね!
このストーリーをふまえて
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