射手座の神話弓の名手ケイロンが、
とばっちりで毒を受ける話

射手座は、弓の名手であったケイロンの姿が星になった話です。

具体的にどんな状況だったのか、ストーリー仕立てでお話します。

上半身が人間、下半身が馬というケンタウロス族に、ケイロンがいました。

ケイロンは非常に優秀な人物で、音楽、医療、占星術、射撃など多岐にわたる知識を持っていました。とくに弓に関しては名手でした。

これらのスキルは、弓の神アポロンと月の女神アルテミスから授けられたものですが、この能力を活かして、教育者として活躍していました。

ケイロンは、多くの英雄たちを輩出しています。

とくに、アキレウス、アスクレピオス（医神）、ヘラクレスなどがケイロンの弟子でした。

ある日、ヘラクレスは他の生徒たちと一緒に、ケイロンの指導を受けていました。

ですが他の生徒との口論から、やがて激しい喧嘩になってしまいました。

ヘラクレスは相手を威嚇しようと、弓を手に取り、無作為に矢を放ちました。すると、矢は運悪くもケイロンに直撃してしまいました。

ヘラクレス 「ケイロンに当たってしまった！なんてことだ！」

ケイロンは激痛に襲われながらも、静かに立ち上がりました。そして彼は怒りや非難の言葉ではなく、対話を求めました。

ケイロン「ヘラクレスよ、怒りの感情は、学ぶための試練でもある。お前は変わることができる。この出来事から学び、成長するのだ」

冷静なケイロンに、ヘラクレスは自らの行動に反省し、深い後悔の念が襲いました。

この出来事はヘラクレスの人間性と成熟に、大きな影響を与えるものでした。

ヘラクレスの矢にはヒドラの猛毒が塗られていました。

通常であれば即座に死んでしまう毒ですが、ケイロンは神々の王ゼウスの父であるクロノスの子です。そのため不死身の存在でした。死ぬことができないのに、ヒドラの猛毒により苦しみ続けなければなりません。

アポロンからもらった優れた医術の知識を用いても、傷を治療できませんでした。

ケイロン 「ぐっ…この苦痛が永遠に続くのか…」

ケイロンは毒に苦しみ続けるしかありませんでした。

ケイロンの辛そうな姿を見たヘラクレスは、心を痛め、ゼウスに相談しにいきます。

ヘラクレス「ゼウスよ、お願いだ、ケイロンを苦しみから解放してやってくれ」

ゼウスはどうしたらいいか考えましたが、ケイロンに安らぎをもたらすには、ケイロンの不死身能力を取り除くしかありませんでした。

ゼウスは仕方なくケイロンの不死の能力を、巨神族の英雄プロメテウスに譲らせ、ケイロンには安らかな死を与えました。

ケイロンはようやく苦しみから解放されました。

弓の名手だったケイロンを、誰もが惜しみました。もちろんヘラクレスも嘆きました。

多くの人々から尊敬されたケイロンは、天にあげられ、星として今後も称え続けることにしました。これが射手座として語り継がれるようになりました。

射手座はケイロンのように、人々に希望や勇気を与え、また冒険者たちを導く存在として語り継がれるようになります。

星座占いでは、射手座の人はとても楽天的で精神的にタフな性格が特徴です。

ケイロンも生徒と一緒に楽しく過ごし、どんな生徒が現れても動じないタフな性格だったように、射手座の人も楽観的でタフなところを受け継いでいるのかもしれませんね。

占い師として活動を始めて14年目です。数字占術をベースに占星術や占い師としての経験則による概念を組み合わせた生年月日占いに力を入れています。追加してほしい占いのリクエストをいただければサイト上に掲載します。

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