双子座の神話2組の双子が壮絶バトルを展開する話

双子座は、生死をともにしてまで一緒にいたいと願う双子のカストルとポルックスの姿が星になったとされています。

スパルタ国にはティンダリオス王と、王妃レダがいました。ですが神々の王ゼウスはレダに恋をし、白鳥の姿に化けてたびたびレダの元を訪れていました。つまり不倫です。

やがてレダは２つの卵を産みました。ひとつの卵からは、クリュタイムネストラ(姉)とカストル(弟)が生まれ、もうひとつの卵からはポルックス(兄)とヘレネ(妹)が生まれました。4つ子です。

クリュタイムネストラとカストルは国の父であるティンダリオス王の力が備わっていました。そしてポルックスとヘレネは浮気相手であるゼウスの力が備わっていました。

そのためポルックスとヘレネには神の力が宿っており、不死の能力を持っていました。ですが、クリュタイムネストラとカストルは普通の人間なので、やがて死ぬことが決まっていました。

異父兄弟とはいえ、カストルとポルックスは男同士なのでいつも一緒に仲良く遊びました。ともに技術を学び、やがてカストルは馬を乗りこなすようになり、ポルックスは剣とボクシングの達人になりました。

二人が一緒にいればなんでもできる！と自信をつけた兄弟は、牡羊座の神話にも出てくるアルゴナウタイの冒険にも参加しています。

カストルとポルックスには従弟がいました。イダスとリュンケウスといい、こちらも双子の兄弟でした。

ある日、イダスとリュンケウスはカストルとポルックスをだまして牛をすべて盗むという事件が起こりました。カストルとポルックスは怒り、嘆きましたがそのときは争いには発展せず事態が収まりました。

その後、カストルとポルックスはレウキッポス王の娘であるポイエとヒラエイアという姉妹に一目ぼれし、自分の国に連れて帰って合同で結婚式を挙げることにしました。

式には従弟であるイダスとリュンケウスも呼びました。ですがイダスとリュンケウスは酒に酔ってひどい醜態をさらしました。「レウキッポス王の娘をさらってきたのにレウキッポス王には何の礼もしないのか」などと言い、祝いの席でカストルとポルックスを侮辱しました。

カストルとポルックスはイダスとリュンケウスに対し、祝いの席で侮辱されたことが許せませんでしたが、以前にも牛をすべて奪われるという事件もあったことで、さらに怒りがわき起こりました。

カストルとポルックスはイダスとリュンケウスの元へ忍び込み、以前奪われた牛を奪い返し、それをレウキッポス王への贈りものとして献上するという行為におよびました。

イダスとリュンケウスは怒り、ついにカストルとポルックスとの激しい直接対決が始まります。

双子同士の争いは激化し、カストルはイダスの槍に突かれて死んでしまいます。ポルックスもだいぶ攻撃を受けましたが、神であるゼウスの力が宿っていたため死ぬことはありません。

カストルを殺されたポルックスは怒り狂って一人でイダスとリュンケウスに反撃をします。

カストルはまずリュンケウスを槍で刺して殺しました。その後、逃げるイダスを追いかけて殺そうとしたところ、イダスが大きな石を投げつけてきたため、ポルックスは気絶してしまいました。

イダスは気絶したポルックスにとどめを刺そうとしましたが、いきなり雷が落ちてイダスは死にました。雷を落としたのはポルックスの父であるゼウスでした。

ポルックスはゼウスにカストルを生き返らせるよう懇願しました。自分の命を捧げてでも一緒にいたいと訴えたため、ゼウスは冥界の王ハデスと相談し、ポルックスの命の半分をカストルに与えることにしました。

これにより、カストルとポルックスはお互いに半分神、半分人間として過ごすようになりました。なので1日おきに人間として神として生きることになり、天界と人間界を行き来するようになりました。

このカルトスとポルックスの強い兄弟愛がそのまま星になり、これが双子座になったと言われています。

星座占いでは、双子座の人は才能やインスピレーションを司ります。このカストルとポルックスが神と人間の力が半分ずつ宿っているからこそ、双子座の人も才能豊かなのかもしれませんね！

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