占いは統計学や心理学ではない。
科学を超えた古代の知恵
あなたは占いに、どんなイメージを持っていますか?多くの人はエンタメの一つとして楽しんだり、迷信だと考えているでしょう。
そして統計学だと思っている人が多いですし、心理学を利用して言葉巧みにバーナム効果を狙っていると考える人も多いです。
しかし本来の占いとは千年以上もの歴史があり、宗教的な意味があったり、文化や伝統から生まれた風習です。
この記事では、占いは統計学や心理学ではないことを解説し、占いを利用する意義についてお話したいと思います。
占いは宗教からはじまる
占いは宗教的な意味を持っていたり、伝統が深く影響しています。
占術ごとに見ていきましょう。
星座占いが
統計学ではない理由
星座占いって、各星座ごとの性格を統計取ってるんじゃないの?
と思う人もいるでしょう。
星座占い、いわば西洋占星術とは、天体の位置が、人間の性格や運命に影響を与えるという考えが根底にあります。
占星術は、人間の生まれた日付や時間によって惑星や星座がどこにあったかを見ていきます。天体や星にはそれぞれ意味があり、その意味を人間に当てはめて読み取る占術です。
そのため統計学で人間の性格を読んでいるわけではなく、天体や星の意味を読んでいるのが占星術です。
バビロニア人が神の意思を
読み取るために始めた
西洋占星術の起源は古代メソポタミアです。バビロニア人は紀元前2000年ごろから星々の動きを記録し始めました。
宗教的な理由により、星々の位置が、神々の意志であると考え、人間がどう行動すればよいか行動指針にしたり、未来の運命を読み取ろうとしました。人間と神をつなぐツールが星占いだったのですね。
これがバビロニア占星術であり、星座占いの基盤となります。
宇宙論がミックスされ
深い意味を持つようになる
バビロニア占星術がギリシャへ伝わり、ヘレニズム時代になると、ギリシャ哲学(哲学者プラトンの考え)がミックスされます。
具体的には、宇宙には見えないルールやパターンがあり、その大きな流れは星や惑星の位置に表れており、それが人間の生き方や性格にも影響する、という考えがミックスされました。
この宇宙観が、バビロニア占星術と結びつき、宗教と文化的な考えが融合しました。
中世ヨーロッパでは、キリスト教が神の意思を読み取るために占星術が研究され、神学と天文学の一貫として位置づけられ、長いこと伝統として使われてきました。これが現在の星座占いとほぼ同じスタイルとなります。
つまり星座占いは
統計学ではなく…
天体の意味を読み取る占術であり、神の意思を読み取る宗教的な要素と、宇宙論がミックスされ、キリスト教で採用された伝統が現代に伝わったもの、となります。
カバラ数秘術が
統計学ではない理由
数字によって性格や運命が決まるなんて、それも統計学ではないの?
数秘術とはカバラや数字占いとも呼ばれ、数字によって人の運命や性格を読み取る占術です。
この宇宙は、すべて数字で説明できる数学的な世界です。そのためこの宇宙を作った人間の創造主もまた、人間であると考えられています。あるいは、神が自分にそっくりな存在を作ったのが人間とも言われています。(神話では諸説あります)
どのみち、宇宙が数の法則で作られているのは間違いないから、人間の人生や性格も、数字で説明できるのだ!とするのが、数秘術です。
当サイトの占いも、数字占いをベースにしているよ
数秘術の生みの親は
ピタゴラス
ピタゴラスは、「万物は数である」という哲学を提唱しました。
物理や宇宙科学、生物学、道徳に至るまで、すべてが数学的に説明できるとしたのです。この思想は現在も引き継がれており、数秘術の基礎となります。
ユダヤ神秘主義が
ミックスされる
古代ユダヤ教の伝統で、ユダヤ神秘主義というのがあります。これは神とは何か、魂の存在、宇宙が生まれた意味や人間の意味など、スピリチュアルなテーマに対し、答えを導き出すことを目的にしています。
この神秘主義において、ヘブライ語の文字に数を当てはめ、これらの数値をもとに聖書のテキストを解釈し、宇宙や人類の秘密を解き明かそうとする試みが、カバラであり、伝統となっています。
中世以降、カバラの教えとピタゴラスの数秘術が融合し、カバラ数秘術として親しまれるようになりました。
つまりカバラ数秘術は
統計学ではなく…
万物を数字で証明する数秘術と、数字から神や宇宙、霊的な意味を読み解くユダヤ神秘主義の伝統があわさったもの、となります。
タロット占いが
ただの迷信ではない理由
タロットは、ただの偶然や迷信だと思うんだよね
と思う人はいるでしょう。
タロットは卜(ぼく)という種類の占術であり、占いで最初に出た結果が、もっとも自分にふさわしい、とする占術です。
つまり自分がその運勢を持ってるから、そのカードが出るんです。
偶然にはすべて意味があり、宇宙の流れに沿った結果である…すなわち偶然は必然である、という考えが根底にあります。
また、タロットはカード一つ一つに意味があり、人間に当てはめて解釈しますよね。このカードの意味は、宗教と心理学から来ているので、タロットは当たりやすくなっています。
元は遊びのカードだったが
占いとして使われた
タロットはもともと、15世紀初頭のイタリアで遊び用カードとして誕生しました。
貴族の間で娯楽として親しまれていましたが、18世紀~19世紀になるころ、ユダヤの神秘主義の教えや、占星術の思想と結びつけられ、カード1枚に宗教的な意味を持たせました。
これがのちに、単なる遊びではなく占いとして使われるようになりました。
タロット1枚だけで宗教の解釈がなされ、人間の性格や運命を示しています。
タロットカードに
心理学がミックスされる
20世紀に入ると、カール・ユングなどの心理学者の影響があり、タロットの絵柄から連想できる心理学を、解釈の一つとしてミックスされました。
たとえば、タロット0は「愚者」です。つまり愚か者のことですが、心理学的に考えると、愚か者が人生を歩いたらどうなるか?愚か者が恋愛したらどうなるか?愚か者が仕事ではどうなるか?という未来は想像つくし、心理学的に説明できますよね。
つまりカードの意味に心理学の根拠をミックスさせ、より深い意味を読み取るようになったのがタロットです。
つまりタロットは
単なる迷信ではなく…
宇宙の流れをカードで読み取る卜の占術であり、ユダヤの宗教的な意味と、心理学の解釈を組み合わせたもの、となります。
易が
単なる偶然ではない理由
当たるも八卦~当たらぬも八卦~ていうし、さすがに易は単なる偶然でしょ?
易(易経、周易)は、中国の伝統的な占術です。宇宙や自然のパターンが、易経の六十四卦によって表現されており、宇宙や自然の流れ、いわば運勢の流れを読み取る占術です。
これは常に変化し続ける宇宙の流れを読み取り、人間の行動や考えも変化させれば、調和のとれた暮らしができる、という考えが根底にあります。
易はタロットと同じように、卜(ぼく)の占術であり、占った瞬間に出た答えがいまの自分の運勢となります。
これも占ったから運勢が決まるわけではなく、宇宙の流れがそのような運勢だから、易の答えもそれに伴う、という意味です。
当たるも八卦~は
本当の意味がある
当たるも八卦~と聞くと、占いなんて当たったり外れたりするんだから、適当でいい加減なものだ、と解釈する人が多いと思います。
しかし本当の意味は違います。
易経の六十四卦は宇宙のパターンを示しているので、もし「当たった」と思うなら、そのパターン通りの結果になったということ。もし「外れた」と思う場合でも、何かしら宇宙の法則があってその結果が出ているので、自分で思い当たるフシを探してみなさい、という意味です。
なので、当たるなら八卦通り、当たらぬと感じても八卦通り、という解釈が本当の意味です。
なんだか絶対的な自信をもつ占術に聞こえるよね!
つまり易は
単なる偶然ではなく…
宇宙や自然のパターンを読み取る占術であり、当たっても当たらないと感じても、宇宙は八卦通りの流れで動いている、とするものです。
つまり厳密にいうと「占い」ではないのでしょう。
今の流れを読むためのツールです。
統計学の占いもある
では、統計学とみられる占いとは何でしょう?
血液型占い
テレビ番組や雑誌で多く扱われたことで、多くの人が血液型と性格の関連を意識するようになりました。しかもA、B、O、ABの4パターンしかないため、比較的統計を取りやすかったかもしれません。
多くの人が肌感覚で感じていることが占いになったものです。
性格診断・職業診断
診断系のものは、統計を利用したものが多いです。結果のパターンをいくつか決めておき、自分にふさわしいパターンを診断することで、性格が見えてきます。
心理テスト
心理テストも統計が多いでしょう。心理学とミックスさせたものが多いですが、統計学もテストに含まれています。
占い師の経験則
占い師は色んな人の生年月日と悩み内容を見ているので、法則性に気づくことがあります。傾向やパターンがあれば、それらも加味するでしょう。
当サイトの占いも経験則による結果を含めており、他の占いとは違うオリジナルな占いです。
占いと統計学の違いは
何なのさ?
占いは、潜在意識や直感、霊力、宗教的・伝統的な解釈によって、個人の運命や未来、魂の行方、どう生きるか、といった内容の洞察を得るものです。答えのない疑問や曖昧なものに答えを導き出す、「感情を整理するツール」です。
これに対し、統計学はデータ分析であり、論理的に結論を導き出します。未来に起こりうる確率を算出することができる、「事実確認」と言えます。このデータを基にして人間がどう判断するかは、個人の問題となります。
結局占いとは何なの?
占いはただの娯楽ではなく、宇宙の謎や魂の旅路を探求するためのツールでもあります。
科学だけでは解明できない事柄が多いこの世界において、占いが提供する洞察や答えが、私たちに安心感をもたらし、心の平和を得る手助けになるでしょう。
私たちはみな、独自の信念や価値観を持って生活しており、占いはそのような信念を形成する上で有益なヒントを与えてくれるはずです。
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