かえって疲れる!? 幸せを求めると幸せになれないパラドックス

あなたは幸せになろうとして、かえって疲れたことはありませんか？

出会いを探したのに相手が見つからなかったり、仕事を頑張ってるのに思うように評価されなかったり、人生を充実させようとして積極的に外へ出たらグッタリ疲れてしまったり。

そんな体験は誰しもあると思います。

これは「幸福追求の逆説」と呼ばれ、幸せを追求することが、幸せになる最善の方法ではないことを示しています。

幸せを追求すると不幸になる

人々は幸せになるために、自分が欲しいものを手に入れたり、好きな活動を行います。ですが、これらのことを追求しすぎると、ストレスや疲れが増し、幸福感が減ります。

かといって、完全に幸せになることを諦めてしまい、まったく求めない状態でもダメなのですが、求めすぎてもだめなのです。

幸せを求めると幸せになれないパラドックス

人間が幸福を感じる仕組みは精神的な要因なので、外部の物質や出来事によって支配されません。

その証拠に、お金に恵まれて、いい家に住んで、結婚して、子供にも恵まれ、仕事も順調で、すべてを手に入れているように見える人が、いきなり自殺したりする事実があります。

物質的な豊かさや成功は、必ずしも幸福感に直結しないので、一つの幸せを追い求めるほど、幸せでなくなってしまうのです。

なら幸福とはどういう現象なのか？

幸福感とは、心の平穏や、精神的な満足感、自己実現感など、より深い内面的な要素によって支配されます。そのため、自己成長などの精神的な発展に焦点を当てることが、幸福感を得る秘訣です。

お金がほしい、彼氏がほしい、いい家に住みたい、仕事で昇給したい…など、どれも外的な要因です。

外的な要素でなく、内面の整理が必要なのです。

つまり、あなたが自分で、心の状態を整理する必要があります。

それでは、今からあなたが幸福になるために必要な工程を、一つずつ確認してみましょう。

確認すること①
期待が高すぎるのではないか

あなたは幸せを求めて行動した時、それに対する期待値が高すぎることはありませんか？

たとえば、

彼氏がほしいのに、頑張って恋活をしているのに、なかなか良い相手にめぐり合えない！

という場合、その心は、

素敵な人に出会えたら、私は幸福になれるに違いない

と信じているからだと思います。

ですが恋人ができるという事実は、あなたが幸福になるための一つの手段にすぎず、恋人ができることが最終目標ではありません。

仮にあなたに恋人ができて、結婚して子供ができたところで、幸福にならない可能性だってあります。その一方で、独身で人生を謳歌している人もたくさんいます。

つまり、恋人を作ることが幸福の絶対条件ではないのです。

恋人を作ることに焦点を当てすぎると、それ自体が目的になってしまい、それが幸福の絶対条件だと思い込んでしまいます。すると、達成されなかったときに強く不幸を感じるし、疲れてしまいます。

あなたが達成すべき目標は、あなたの心が幸福を感じることであって、恋人を作ることではないことを頭に入れておきましょう。

確認すること②
幸せを他人任せにしてないか

あなたは自分の幸福について、誰かが幸せにしてくれると思っていませんか？

彼氏ができたら、きっとその人がいるだけで私は幸福になれる

この考えは、自分の幸せを他人にゆだね、他人任せにしていることになります。

あなたを幸福にするのはあなた本人であって、彼氏ではありません。

自分自身が不満足な状態で他人と接すると、相手への要求が高くなります。相手が思い通りの動きをしてくれなかったら、あなたは不幸になります。

他人任せで結婚すると、それこそ本当の不幸が始まります。望んだ結婚生活ができなかった場合、こんなはずじゃなかった、となってパートナーのダメなところばかり目につき、パートナーのせいにして、「もっといい人がいるのではないか」という考えに陥ります。

あなたを幸せにできるのは、他人ではなく、あなた本人であることを忘れないようにしましょう。

確認すること③
あなたの願い事は、あなたが考えたことなのか？

そもそも、あなたはなぜ、その目標を達成したいのでしょう？

日本人の傾向としてよくあるのが、

みんな持ってるから

という理由です。

日本はみんなと同じでないと不安を感じる国民性を持っています。欧米では逆に、他人と違う自分になりたい人が多いのですが、日本では他人と同じを好みます。

そして日本では、昭和のころから「結婚して子供を作ることが幸せだ」と刷り込まれてきました。みんなそうすれば幸せになれると信じていたし、それが当たり前だと思っていたし、みんなが結婚してるのに自分だけ結婚していなければ「可哀そうな人」とすら言われたのです。（田舎では今もそのような風潮は残っているでしょう）

昭和時代～平成にかけては、多様性がなかった時代ですから、昭和時代に生まれた人がそう思うのは仕方ないことだし、その世代の親に育てられた子供が、多様性を考えられないのも無理はありません。

みんな持ってるから自分も欲しいのは当たり前だ、と思ってる人が多いのですが、当たり前ではありません。それは世の中の社会的圧力や、時代、他人から刷り込まれた幸せであって、あなたの幸せではないのです。

他人が作った幸せではなく、あなたが自分で思いついた幸せは、何ですか？

自分で考えた幸せを見つけるには、日本だけでなく世界の事情を知ったり、自分とは違う生き方をしている人生があることを、もっと知る必要があるでしょう。

狭い場所を見ていると、一つの幸せしか見えなくなります。

今話題の「多様性」というやつです。幸せの多様性を見つけましょう

幸せとは、脳内物質が出てるだけ

内面の整理において、もう一つご紹介したい話があります。

人が幸せとは、脳内の伝達物質が出ているに過ぎないことです。

仕組みはこうです↓

素敵な異性と付き合う
　　↓
優しくされて嬉しい
　　↓
脳内の伝達物質が出る
　　↓
あなたの脳が快感だと認識する

これが幸せの構図です。

つまり薬物でも使って、強引に脳内物質を出してしまえば、同じように幸せを感じられることになります。ただ薬物は人体や人生への悪影響が大きすぎることやマフィアの資金源になるなどの社会的要因で禁止されているので手を出さないでほしいのですが、幸せとは、脳の物質に過ぎないということです。

快感物質を出すには色々な方法があり、それは彼氏を作ることだけではない、というのは理解できると思います。

運動や食事をするだけでも、快感物質は出せますが、もっとも快感物質が出る瞬間はどんな時でしょう？

次にお話します↓

どんな時に、快感物質がよく出るか

脳の快感物質、すなわち幸せの脳汁が出る瞬間はいつなのか、考えてみましょう。

あなたがこれまでの人生で、もっとも幸福を感じた瞬間は何ですか？

1つだけピックアップしなさい、と言われたら、きっとあなたは、自分が何かにチャレンジし、成長したことをあげるのではないでしょうか。

以下の図をご覧ください。

マズローの欲求5段階説

この図は本サイトでたびたび紹介している図ですが、マズローの5段階欲求というものです。

上に行くほど、幸福感が高く、幸せの脳汁がでるアクションです。

彼氏が欲しいというのは、社会的欲求に入りますが、一番上にある自己実現が達成されている人は、彼氏ができなくても幸せを感じることができると考えられています。

たとえば、あなたが画家として成功し、多くの人があなたの絵を見たいと言ってくれたら、きっとあなたは彼氏がいなくても、自分の成長に生きがいを感じるでしょう。

たとえ描いた絵が売れなくても、描きたい絵を描ける環境に満足していれば、幸せになれます。自己実現は外部からの評価や成功によって決まるものではないからです。

もし絵が売れないことに満足できないなら、あなたは本当に絵を描くことが好きなのか自問する必要があるし、そしてまた、自己実現は、一度達成したら終わりではなく、常に新しい目標を見つけることが求められます。

一つの山を登ったら、次の山を登らないと、幸せは維持できないのです。

あなたがいま望んでいる夢や目標は、一つの山にすぎません。

世の中にはもっと、大量に、色んな種類の山が存在していますので、もしあなたが一つの山、一つの理想しか見えないなら、それだけ視野が狭く、生きている行動範囲が狭く、興味の範囲も狭いということです。

諦めろ、という意味ではない

彼氏がほしいのに、うまく出会えなかった。
次の山を見つけるということは、今の願いを諦めろという意味なの？

と思う人もいるでしょう。

諦めなくていいです。というよりむしろ、一生諦めないでください。

あなたの望みは、一つの夢として、ずっと持っておきましょう。

ただ、1つの夢だけに焦点を当ててはいけないのです。

出会いが欲しいなら、恋活ばかりに集中せず、適度に終わらせましょう。そしてあなたは自分の好きな趣味を探して、その道を極めてみませんか？仕事に励んでもいいでしょう。軽い気持ちで始めたものが、思わぬ仕事につながるかもしれません。

そうして自分に能力を身に着け、自分をアップデートさせると、そこから自己実現の幸せへつながります。

具体的に何をすればよいか

自己成長を遂げるために、具体的な例をご紹介します。

新しい体験をする: 新しい出来事や体験は、あなたの経験値がアップデートされ、幸福度があがります。スポーツ、アウトドア、旅行、ゲーム、アート、音楽、映画、読書、料理、手芸、書道、写真、ボランティア活動、車やバイク、ガーデニング、ペットなど、何か始めてください。
知らないことを勉強する: 生活していて知らない話が出てきたら、それを放置せず、知識を深めてみてください。昨日より一つ賢くなったことを実感したら、あなたは幸福を感じられます。
スキルを身に着ける: 何か技術を身につけましょう。自分にそなわった能力は、あなたの実力です。自信にもつながるので積極的にスキルを習得しましょう。資格をとるのもよい方法です。
自己啓発をやる: 自分の考え方を前向きに整えることは、幸せになる第一歩です。どんどん自分の内面を修正していきましょう。
色んな人生を知る: 類は友を呼ぶので、おそらくあなたの友人はみな、似たような人生を歩んでいるでしょう。
あなたと違う世界に生きている人を探して、できれば会話しましょう。きっとライフスタイルが大きく違うことに驚くとともに、幸せへのヒントを教えてくれます。
紙に書いて整理をする: いまあなたは、ネットで情報を仕入れていますが、それらの多くは「ふーん」といって頭の中だけで処理されて終わります。実際に紙に書いて、あなたの得意なこと、不得意なこと、興味のあること、嫌いなことを書いてみてください。本当のあなたの姿が見えてきますよ。