単純接触効果を
もっと恋愛に効果的に使う方法
単純接触効果(mere-exposure effect)とは、物事や人物に何度も接することで、その対象への好感が高まる現象のことです。初めて出会った時より、何度も接することで好意を持つようになるという心理です。
これを恋愛に置き換えて、うまく活用してみましょう。
単純接触効果とは
この現象は、心理学者のロバート・Z・ジャイアの研究によって提唱されました。
何度も同じ刺激に触れていると好意が増す現象ですが、これは単純に刺激が慣れ親しんでいるだけでなく、その刺激が安全であると感じることに起因しています。
人は知らないものや、未知なるものを見ると、防衛本能により警戒心を持ちます。
しかし何度も見聞きすることで、その対象が安全であると脳が錯覚し、対象に対する警戒心が低下し、肯定的な感情が生まれるのです。
街中の広告では常套手段
単純接触効果は、テレビCMや、街中の広告で非常にポピュラーに使われています。
たとえば、同じメロディが繰り返し流れるCMや、通勤中に毎日見かけるポスター、建物に使われている看板やキャラクターなど、商品やブランドを何度も見せることで消費者の好意を高め、購買意欲を増加させることができます。
また、テレビでいつも芸能人の姿を見ていると思いますが、毎日見ることで、勝手に、その芸能人に対する好感度が高まっていきます。
相手のタレントはあなたを何も知らないのに、あなたは一方的に好意を持つため、いざ街中で芸能人を見つけて想像していた性格と異なってた場合、勝手に落胆するケースがあります。
これは単純接触効果の弊害と言えるでしょう。
単純接触効果が
通用しやすい人物がある
単純接触効果は、以下のような人物において、より効果があります。
すでに顔見知りの関係
すでに顔を知っている間柄だと、見知らぬ人物より警戒心は低くなります。そのため単純接触効果で何度も顔を合わせるうち、親密になれる可能性が高くなります。
類似性がある
趣味や興味、価値観などが類似しており、その中で何度も接触があると、かなり高い共感や理解が生まれやすくなります。たとえば同じ職場だったり、趣味の集まりで仲良くなりたい場合は、できるだけ毎日顔を合わせ、挨拶程度するだけでも効果があります。
定期的に顔を合わせる
定期的に顔を合わせる関係は、自然な形で単純接触効果が実現されます。そのため好意を持ちやすくなるでしょう。
社内恋愛がとても良い例ですね。最初はなんとも思ってなかったけど、一緒に仕事をするうち素敵に見えてくるケースです。
ほかにも、サークルや趣味の集まり、定期的な会議、セミナー、パーティー、食事会など、同じメンバーで顔を合わせることで、好感を持たれます。
権威がある人
権威を持つ人に何度も接触すると、その人に対する尊敬や信頼が大きくなります。
たとえば「私は弁護士です」という人がいた場合、何度もその人と話す機会があったら、まずはその人に意見を仰ぐでしょう。そこで「こうした方がいいよ」と言われた場合、その通りにしてしまうと思います。
つまり自分に役職や肩書、社会的な地位があるなら、それをしっかり周囲に公表して認知させておくと、自分への信頼が高くなります。
フレンドリーでオープンな人
フレンドリーでオープンな人は、相手への共感や共鳴を早く求めるため、毎日顔を合わせていると、より好意の高まりが大きくなります。
能動的で挑戦的な人
能動的または挑戦的な人は、もともと警戒心が低い位置に設定されています。失敗してもなんとかなると考えるため、単純接触効果で頻繁に顔を合わせていると、一気に警戒心が下がり、距離を縮めようとするでしょう。
単純接触効果が
通用しにくい人物とは?
では単純接触効果が通用しにくい相手とは、どんな人でしょう?
以下の内容は単純接触効果が通用しにくい性質です。
最初から嫌われている
第1印象が悪いと、単純接触効果により何度も接触があることで、かえって不快な思いが増大してしまいます。
たとえば、不潔な印象を持たれたり、最初から価値観が合わないと認識されているなど、印象が悪い相手には、接触回数が多いほど、逆効果になります。
偏見や先入観を持たれている
相手が偏見や先入観を持っている場合、いくら接触回数が多くても、偏見や先入観が変わることはないため、好意を持たれにくい傾向があります。
たとえば、最初から見下されていたり、自分に接触してくる人はみんな恋愛感情があると思っているなど、偏見があると、その後も歪曲して解釈されるため、好意が増えることはありません。
完全なる恋愛対象外
完全なる恋愛対象外として見られている場合、相手に対して無関心なので、いくら接触が多くても好意を持たれることは難しいでしょう。
閉鎖的・不寛容
相手が新しい経験や出会いに対して閉鎖的だったり、不寛容で他人の異なる意見を受け入れることが難しい場合、いくら単純接触効果で頻繁に顔を合わせても、警戒心が長く継続され、好意は持たれません。
過去にトラウマがある
相手の過去にトラウマがあったり、社会不安がある人は、自分から他者への接触を求めないため、そもそも単純接触効果が起こりそうな場面に遭遇すると、自ら避けることがあります。
仮に何度も顔を合わせることができたとしても、自分から他者へ歩み寄ることがないため、効果が働きにくくなります。
敵対心・ライバル心が強い
競争心や敵対心を持つ人は、他者との接触を競争の場と見なす傾向があります。このような人は接触が増えるほど、他者にライバル意識や劣等感をもったり、嫉妬したり、不健康な関係を作ろうとします。
優越感・自己中心的
優越感を得たい人や、自己中心的な人は、他者との関係を自己満足や利益のために利用する傾向があるため、単純接触効果で他者との接触が増えても、自分の欲求にそぐわない関係は一切持ちません。
コミュ力が低い
相手のコミュ力が低い場合、接触回数が増えるごとにこじれるケースがあります。相手が勝手に警戒心をもったり、話を歪曲して解釈したり、誤解が生じて、トラブルを生む恐れもあります。
人の意図を勝手に歪曲して解釈する人は、単純接触効果によってトラブルを生む恐れがあり、非常に危険なので、近づかない方が身のためです。
より単純接触効果を高めるには
どのように接すればよいでしょう?
接触時間より接触回数を増やす
単純接触効果は回数の多さが重要です。たとえば1週間のうち1度だけ好きな人と食事に行くより、1週間のうち毎日挨拶だけかわす関係のほうが、より好感を持たせることができます。
1度だけ長い間話をするより、毎日短い挨拶をする方が有効です。
ダラダラと話をしないほうが、相手に「この人はどんな人なんだろう」と想像させ、自分の存在を思い出させる効果があります。
相手の興味を引く話題にする
相手に接するとき、短い会話で十分なのですが、そのとき、自分をアピールすることばかり考えていると、逆効果になることがあります。
相手が興味を持ちやすいトピックを提供することが大切です。相手の関心、相手に関係する話題をいくつか用意しておきましょう。
相手が食いついてきたら、それだけで成功です。
たまにサプライズを用意する
単純接触効果は、毎回同じ接触をするため、慣れがきて途中で中だるみすることがあります。
このような現象を防ぐため、たまに小さなサプライズを用意しましょう。
たとえば、話題のお菓子を買ってプレゼントするのは非常に有効です。
これテレビで話題だったんだよ
と一言そえお菓子を渡すだけで、非常に新鮮な接触となり、効果的です。
もしくは、ジュースを買ってきて、
お疲れさま!今日は私のおごり
と言うだけで、たった130円くらいで好感を持たれることができます。
身近で接触すると安心を生む
相手と頻繁に顔を合わせる場所は、非常に身近な場所で繰り返されることで、安心感が増幅する傾向があります。
たとえば、カフェやスーパー、いつも通勤で通る道、いつも使う電車など、身近であるほど、相手の警戒心を解くことができるでしょう。
一方、パーティやサークル、会議や打ち合わせ、などは、やや緊張感がある場所なので、単純接触効果の効果がでてくるまで時間がかかる場合があります。
常にポジティブな話題を心掛ける
単純接触効果は、ポジティブな話題を心掛けることが必要です。ネガティブな印象を持たれると、接触するごとに不快な感情を抱かせることになり、逆効果になります。
挨拶だけする場合は、明るくフレンドリーに接します。楽しい面白い話題をしたり、エンターテイメントの話題にしましょう。
避けた方がいい話題
ポジティブな印象を持たれるために、避けた方がいい話題があります。
- 自分の悩み相談
- 悩み相談はネガティブなイメージが強いため、もう少し親しくなってから話すようにしましょう。
- 相手の悩みを聞き出す
- これも恋愛には有効なテクニックの一つですが、単純接触効果の初動においては、相手のトラウマを引き出す恐れがあり、避けた方が無難です。親しくなってから話をするようにしましょう。
- 相手をからかう
- 単純接触効果において、からかう行為は非常に不快な印象を与えます。冗談だとしても、からかったり、ブラックジョークは避けた方がよいでしょう。
- 愚痴をいう
- これは会社の同僚同士によくありますが、会社や仕事への愚痴を共有するのは避けましょう。相手は愚痴を聞きたくないと思っているかもしれないし、あなたと意見が異なった場合、不快な思いしかさせません。
何をやっても好意を持たれない場合
単純接触効果は、引き際も肝心です。
何度接触してもあまり好感を持たれない場合、もうその相手とは縁がないと判断し、身を引くことを考えましょう。
あまりしつこくするとストーカー扱いされたり、噂が広まるなど、トラブルが生じます。
相手の反応がいつまでも硬い場合や、コミュニケーションがいつまでも一方通行だと感じた場合は、さっさと諦めて、他の相手と仲良くすることを考えましょう。
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コラム著者:沢村
神威力訓練所で実践修行をした経験を持っており、現在も科学で説明できない内容を研究しています。スピリチュアルカウンセリング、人をつなぐコミュニティ運営の実績があります。もっとこんな内容があったらな、というリクエストがあれば受け付けています。