今さら聞けないノストラダムスの大予言とは
ノストラダムスとは、ミシェル・ド・ノートルダム(通称ノストラダムス)のことです。彼はフランスの医師でありながら、占星術師でもあり、予言者でもありました。
彼は1503年に生まれ、1566年に亡くなりました。その間、数々の予言や占星術の著作を執筆しています。
著作『ノストラダムスの大予言集』(Les Prophéties de Nostradamus)がもっとも有名なものですが、これは四行詩形式で予言を行っており、政治的な出来事、戦争、自然災害、宗教的な事件など、さまざまな主題が含まれています。
原文はフランス語で、予言の内容も、フランスやヨーロッパについて言及していることが多くなります。
ノストラダムスの予言とは一体何なのか?聞いたことはあるけど、実際はよく知らない人への入門編です。
どうやって予言した?
医者であった彼が、どうやって予言をしたのでしょう?
占星術によるもの
ノストラダムスは占星術を使って、星の配置や天体の動きを解釈し、未来の出来事を予測しました。そのため、予言書の中には、特定の日付や時期、〇〇座という星座をあらわす言葉や、天体の言葉が多く出てきます。
具体的には以下のような文章です。
Century Ⅷ, Quatrain 49:
牡牛座の土星、水瓶座の木星。火星は射手座2月6日は死をもたらす。
タルデーニュの者はブルージュで大破
蛮族の長はポンテローゾで死ぬ
Century Ⅱ, Quatrain 48:
山を越える大きな力。射手座の土星 火星は魚から転じる
鮭の頭の下に隠された毒
鮭の頭には毒が隠されている
〇〇座という表記や、天体については、国や人をあらわしています。
しかし具体的に何について予言しているのか曖昧であることから、人々の憶測や話題を呼んでいます。
霊感によるもの
ノストラダムスは霊感があり、それに基づいて予言を行いました。
彼は自らの予言を執筆するとき、霊的な啓示を得て、その情報を予言に反映させました。これは彼の伝記や歴史的な文献から多く語られています。
ノストラダムスは、夜間に一人で深夜まで書き続け、その間に幻視や啓示を受けたという伝承があります。また、夢の中で啓示を受けたことも多かったようです。
直観によるもの
ほかにも直感的な洞察による文章もたくさんあったでしょう。なんらかの啓示を受け、啓示の内容が漠然としていたものについては、ノストラダムスが自身の直感により、予言としてまとめたようです。
ノストラダムスが有名な理由
ノストラダムスは予言者となりましたが、なぜそれが今も語り継がれているのでしょう?
当時のベストセラーだった
『ノストラダムスの大予言集』が出版されたとき、多くの言語に翻訳され、広く読まれました。それは予言が四行詩形式で書かれており、その文体が独特で、人々の興味を引いたことがあげられます。
文学として価値が高かった
ノストラダムスの予言は文学的な魅力が高いとして評価されました。とくに四行詩形式の文体が、価値が高いとされたのです。
この文体は当時ヨーロッパでは広く使われていましたが、4行で韻を踏んだ文章と、占星術的な用語や、暗示的な表現が多用されていたため、謎めいた予言としてのイメージを定着させ、文学的な魅力がありました。
動乱の世で注目を集めた
16世紀のヨーロッパは、宗教的・政治的な動乱が続き、人々は未来に不安を抱いていました。そのような時代背景の中で、予言書という存在が注目を集めました。
しかもノストラダムスの予言は、戦争や政治に関する内容が多かったため、なおさら人々の関心を引きました。
曖昧なメッセージが謎を呼ぶ
ノストラダムスの予言は曖昧な部分が多く、解釈もさまざまでした。
そのため人々は、予言を歴史的な出来事と関連付け、あれこれ話題にすることが多かったのです。とくにフランス革命や第一次世界大戦、第二次世界大戦は、色んなこじつけもあって、予言が的中したとされています。
当時に有名なのはわかったけど、今も語り継がれているのはなぜなの?
メディアが盛り上げた
ノストラダムスの予言は、後世の文学作品や映画、テレビや本などのメディアで広く取り上げられ、その名声がさらに広まりました。メディアの影響は大きかったでしょう。
後世のことも予言したため
予言書を見ると、20世紀の世界大戦や政治的な出来事、自然災害などに、状況が酷似している文章が多く見られます。そのため、後世についても予言されている、と解釈する人は多くいます。
スピリチュアルブーム
スピリチュアルブームが盛り上がった時、昔に盛り上がったノストラダムスの予言が、現在にも使えるとして、多くの人の興味を引きました。神秘的なエンターテイメントとして、親しまれたとみられます。
具体的な予言内容
では、具体的な予言内容を見てみましょう。
有名なものをあげていきます。
Century I, Quatrain 35:
若いライオンは年上のライオンに打ち勝つ一騎打ちの戦場で、
金色の檻の中で彼の目を貫くだろう
2つの傷が1つになり、残酷な死を迎える
この予言は、もっとも当たったとされている予言の一つです。
フランスの王国の象徴である若きライオンが、古いライオンを戦場で倒すとされており、これはフランスの王位継承戦争やフランス革命を予言していると解釈されています。
Century I, Quatrain 2:
1999年 7ヶ月空から恐怖の大王がやってくる
アンゴルモアの大王が復活
後にも先にもマルスは幸福に君臨
この予言は、1999年の7月に天から恐るべき大王が現れ、その後にアンゴルモワの大王が復活し、ギリシャ神話にある戦いの神マルスは、戦争、死、破壊を告げるいう内容です。
この予言は、1999年に大規模な出来事が起こるとして、日本でも当時はメディアが広く取り上げていました。
実際のところ、1999年には何もありませんでした!
(むしろ翌年の2000年問題の方が危機だったような)
Century VI, Quatrain 37:
古代の仕事は終わるだろう。邪悪な破滅は、屋根の上から偉大な者の上に落ちるだろう。
死者は無実の者を告発するだろう。
罪ある者は霧雨の中、雑木林に隠れる。
この予言は、1963年のJ・F・ケネディ暗殺を示していると言われています。
犯人は屋上から銃を乱射し、大統領は死ぬだろう。無実のオズワルドは告発され、今度は暗殺されるだろう。しかし、1963年秋の襲撃の際、真犯人が隠れたのは低木の中だった、とするものです。
Century Ⅱ, Quatrain 91:
日の出とともに、人は大きな火を見るだろう。騒音と光がアクイロンに向かって伸びる。
その円の中で死と叫び声が聞こえるだろう。
鋼鉄を通して、火、飢餓、死が彼らを待っている。
この予言は、日本への原爆投下とする意見もあります。
日出ずる国である日本で、戦争により大火を見るだろう、大きな鳥のように光とノイズが広がり、その中で大人々が死んでいく。鉄により、火と飢え、死をもたらした、という予言だと言われています。
Century VI, Quatrain 97:
45度で空が燃える。大いなる新都市に近づく火。
一瞬にして大きな炎が燃え上がるだろう。
ノルマン人の証明を求める者が現れるだろう。
この予言は、2001年のアメリカ同時多発テロ(9.11)を示しているとされます。
「45度に空が燃える」というフレーズは、飛行機がビルに突っ込む様子を表現しています。「新都市」はニューヨーク市を指しており、ノルマン人の証明は、外国勢力へ責任を追及するアメリカ政府の様子を示しているとされています。
Century Ⅷ, Quatrain 20:
不正選挙に関する偽りのメッセージ壊れた盟約を止めるために、街を駆け抜ける
買われた声、血に染まった礼拝堂
帝国は別の帝国と契約した
この予言は、2016年の米国大統領選挙でトランプが「不正があった」という虚偽の主張を示していると言われています。
街を駆け抜けるという表現は、当時、過激派のトランプ支持者が暴走したことを示しており、買われた声や、別の帝国と契約は、ロシアのプーチンが、クリントンの電子メールをハッキングしてウィキリークスに提供することによって、密かにトランプの就任を支援しているという説を示していると言われています。
こじつけ…も多い気がする
ノストラダムスの予言は、フランスやヨーロッパについて多く語られています。
本が出版された当時は、フランス革命や周辺の出来事について、たしかに当たっていた出来事もあったでしょう。
なぜなら、直近の出来事であれば占星術で読みやすいですし、ノストラダムス本人も、直観で想像できる世界だったであろう予言だからです。
だけど、後世についての予言は、こじつけも多いよね
ノストラダムスの研究者や、高い関心を持つ人々は、みんな欧米の人たちです。そして予言を考える人々はみな、自分の歴史や文化に関する知識や関心に結び付けようとします。
そのため、ノストラダムスが本を書いた当初はまだアメリカは誕生していませんが、アメリカについて予言していると考える人が多いですし、アジアの出来事には関心がないのか、アジアの予言はほとんどありません。
これらがまさに、こじつけを証明しているように思います。
それでも影響は大きい
ノストラダムスの予言は、後世に何世紀にもわたって世界中の人々に影響を与えてきました。
エンタメとして盛り上がった
日本ではやはり、映画や文学、音楽、テレビ業界などのエンターテイメント業界に影響を与えました。題材として取り上げられ、人々の関心を引きました。
クリエイターへの影響
予言書、というスタイルは、後世の文学作品や芸術分野に影響を与えました。多くのクリエイターたちはインスピレーションを受け、自分の作品へ生かしたでしょう。
一度定着すると変わらない
人間というのは、一度世間や人々の意識に定着したものは、そう簡単に消えることはありません。ノストラダムスの予言が当たるかもしれない、という風潮が一度定着すれば、それは長い間、私たちの考え方や行動に影響を与え続けます。
過去の経験や伝統、信念、文化、社会の風潮などにより、ノストラダムスは私たちの中に根深く根付いてしまったので、今後も影響は続くでしょう。
今日も研究はされている
ノストラダムスの予言を正確に解釈することは困難ですが、謎を呼ぶ文章であることや、占星術を使った予言であることから、多くの人が、情報を読み取ろうとしています。
最近でもヨーロッパでは、
今年の予言は何がある?
なんて議論されてるくらいで、真面目なニュースサイトも真剣に取り上げるくらい、盛り上がっています。
あなたも一度、予言の世界を楽しんでみるのはいかがでしょうか。
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