心理学で恋愛を学ぶ愛は2種類ある
愛には2種類あります。
この内容は大人になるにつれて自然と気づける人が多いですが、これを知っておくと、あなたの気になる相手が本当にあなたを愛しているか、見抜けるようになるでしょう。
義務教育では教えてくれないからこそ、知っておくと恋愛の悩みがひとつ解消されます。ぜひ読んでみてください。
男女愛と人間愛
愛の2種類というのは、男女愛と人間愛のことです。
男女愛とは、人間が種を残すために本能的に持っている性的欲求です。
一方、人間愛とは、思いやりや、相手を助ける、相手の幸せを願う、といった高い知能を持つ人間に顕著に見られる、生きるための能力・知恵です。
男女愛とは
男女愛とは本能なので、動物的思考です。
- あの人カッコイイな
- あの人が好みだ
- あんな感じの人と付き合いたい
こうした感情はすべて、子孫を残そうとする本能から性的欲求がわいてきます。
人間でも若いうちの恋愛は この男女愛だけで成り立っている人が多いでしょう。
ですが、男女愛は一時的なものです。
「この人が欲しい」といった本能が一度満たされてしまえば、この感情は相手がどんな相手であれ、すこしずつ薄れていきます。そして完全に満足いくほど本能が満たされると、その欲求はいつか完全に消滅します。
そのため、男女愛だけで付き合っていた男女は、体だけつなぐとすぐに飽きてしまい、早い段階で別れがきます。
恋人がとっかえひっかえの人は、男女愛しか育てられない人と言えます。
男女愛は未練が残りやすい
男女愛の欲求とは、人によって強く出ます。
- 絶対にあの人がほしい
- あの人以上にカッコイイ人はいない
- あの女が最高である
こうした強い欲求が満たされなかった場合、未練が残りやすくなります。
大した交際をしていないのに、いつまでも未練が残ってしまう人は、心から求めた種が手に入らなかったことが悔しい、といった感情が大きいはずです。
動物本能的には、たしかにその相手が最高なのかもしれませんが、この感情には人間愛は一切含まれていないので、そこに本当の「愛」はありません。
とくに、容姿端麗の人に振られてしまった場合、
- あの人が一番カッコよかったなあ
- あいつが最高の女だった
などと考えると思いますが、この欲求は本能的に、自分には足りないものを補おうとしています。美しい子孫を残そうとする欲求がはたらき、その人を求めています。形が整ったものを好むのも、人間の本能だからです。
ただし、本能とは実にいい加減なものです。
たとえば相手が美容整形をしていて本当の顔じゃなくても、その顔に惑わされ、相手を求めようとします。人間の能力なんてそんなものです。
人間愛とは
人間愛とは、相手を助けたり、相手の立場になって考える能力です。
最近の研究では、「人が人を助けたり思いやりを示す感情は人間の本能ではないか」という研究もありますが、いまのところは社会性ある生き物の「スキル」として扱われるため誰にでも備わっているものではありません。
このスキルが最高に高まってくると、
- 相手を幸せにしてあげたい
- 自分が楽しむより相手の喜ぶ顔が見たい
- この人が幸せになるなら自分は後回しでよい
- 相手が幸せなら、たとえ自分は不幸になっても苦しくない
- 相手が幸せになるなら、私は身を引こう
などの感情が生まれます。
この能力が恋人や夫婦関係に取り入れられると、最高のパートナーになれます。
むしろ、男女愛はいつか失われるものなので、この人間愛を育てていかないと、長くパートナーでいることができません。
何歳になっても仲がよい夫婦は、例外なく人間愛が育っています。
長続きしない人、体だけの関係になっている人、仕方なく仮面夫婦をしている人、など、こうした人たちは、どちらか、または双方に、人間愛が足らないのでしょう。
人間愛は永遠に続く
人間愛は能力なので、生きている限りずっと続きます。
だからこそ、好きな相手とずっと仲良くしたかったら、男女愛で盛り上がっているあいだに、人間愛を育てないとだめなのです。
人間愛を育てる前に、男女愛の欲求を満たしてしまうと、相手への興味が薄れ、そのまま破局しやすくなります。そのため、交際して早い段階で体の関係をもつことは、破局しやすい原因のひとつです。
大人になっても人間愛がまったく育てられない人もいます。
また、男女愛だけが恋愛だと思っている人もいます。そうした人は何歳になっても「いい男、いい女と付き合う」ことばかり求めるでしょう。
相手がいい男、いい女かは、交際後に自分とどれだけ人間愛を育てられるかにかかっています。
それがなければ、「ただ見栄えがいいだけの相手」でしかないし、いつか飽きる存在となるのです。